プリンス・エドワード島探検記 2 

3日目(月曜日)キャベンディッシュ
いよいよ憧れのPEI。憧れのキャベンディッシュ。気合い充分で早起きしたのに・・・。
寒い!!(結局タンクトップの上に長袖シャツ+カーディガンといういでたち)外を見るとどんより重たい空。
天気予報を確認するとしっかり雨。翌日も雨。(因みに翌日の午後に引き上げる日程)
ここはカナダ。7月は1年の内でいちばん良い季節。そもそも雪は深いけど雨は降らない土地柄。
なじぇぇぇぇ???何が悪いのぉ?行いぃぃ??心がけぇぇ??
あまりのショックに傘を持つのも忘れてホテルを出てしまった事には気付かない二人なのであった。(※注・・・この日は連泊だったので、荷物はホテルに置いていった。)

いちばん盛り上がりそうなグリーン・ゲイブルスを最後に残し、先にモンゴメリ関係の史跡を見て回る。
PEI=赤毛のアンの島、というイメージだったがモンゴメリの他の作品の舞台にもなっているらしい。
他の作品も読んでから行った方がもっと深く堪能できたなぁ。

モンゴメリは地元の産んだ英雄扱いで、どこに行っても彼女の一生を解説している。
曰く、「21ヶ月で母親が亡くなり、父親は小さな子供を育てる能力がなかった為にPEIに住む祖母に引き取られた。祖父は郵便局を経営しており(郵便局って私営なのか・・・?)、その仕事を手伝うかたわら小説を書いていた・・・云々」覚えてしまった程だ。(・・・が、既に忘れかけている。)

以下、それぞれの施設の感想を・・・。

○モンゴメリ生家
モンゴメリのウェディングドレスが飾って飾ってありました。細い・・・。
「赤毛のアン」が各国で翻訳されているという事を示す為(と思われる)に、各国語の本が並んでいました。
中でも日本語の本はいっぱい・・・。異国で日本語を見ると何故か嬉しい。
PEIの観光客は日本人比率が高いと聞く。
(そもそもカナダに入る時の入国審査でもPEIに行くと答えた所、「日本人、良く来てくれるんだよね」と言われた位だ。あ、忘れていたけどここではメイプルリーフの可愛いバッジをくれた。)
本当かどうか調べるべく、訪問者名簿を繰ってみるが、期待した程多くない。
なーんだと思ったが、いや待てよ、GWならどうだ、と5月に遡ると日本人、日本人、日本人。
しかも住所はバラバラ。どうやら団体旅行という訳でもないらしい。さすが!!


○アンの博物館マシュウの馬車
 モンゴメリが伯母さんと住んだ家。ここは当時の調度品なんかがそのまま飾ってあって面白かったです。
モンゴメリが作ったクレイジーキルトもありました。(別名ジャパニーズキルトと言うとか。初耳。柄が日本チックに見えるらしいです。)
モンゴメリ(姪だったかも)が結婚式をあげた部屋もそのまま残っていて、ここで結婚式を挙げに来る日本人も多いとか。
・・・という情報は、丁度一緒になった日本人団体観光客の後ろをさりげなく(全然さりげなくないのだが)ついて回って得ました。いいのかなぁ??(良くないって!!)

輝く湖水ここで、マシュウがアンを迎えに行ったときに使った、という設定の馬車に乗れるのですが、「故障した」と・・・。
待っていれば間に合うかもしれないと言われ、先に博物館の中を見たり、ブランチを取ったり、ショップを見たりしている内に直ったようだ。
さあ、乗ろうとした途端に大粒の雨・雨・雨・・・。傘はない。
悔いを残したくないと無理矢理乗ってはみたものの、風景を楽しむ余裕はまるでなく見たのは馬の尻だけ。(「バケツ」とは良く言ったものだ。)
本来ならば「輝く湖水」(「赤毛のアン」の中でマリラの紫水晶を落としたという嘘の舞台となった湖)を堪能するはずだったのに。
そもそも、「輝いて」いないぞ〜。因みに写真は翌日わざわざ撮りに行ったもの。物好きな日本人。
(写真じゃ輝いて見えるけど、この日も薄曇り。・・・。写真って加工技術の進歩によってもはや真実を伝えるものではないのね。)


○キャベンディッシュ郵便局
郵便局現役の郵便局なんだけど、モンゴメリ時代の郵便の流れを展示してあって面白い。
笑えたのは展示パネルの日本語訳がわざわざファイルで用意してあるの。
極めつけはビデオ。何と英語・仏語に加えて日本語がある!!(カナダの公用語は英語・仏語)
本当に日本人多いんだなぁ、と実感。
帰ろうとしたら、例の日本語訳ファイルの前でアメリカ人(と思われる)観光客が、「日本語しかない」と騒いでいた。
パネルの日本語訳なのよ・・・と思ったけど、その説明も日本語でしか書いていないから分からないか。
写真は郵便局のものだけど、PEIの民家は割とどれもこんな感じのが多かった。


○グリーン・ゲイブルス
いよいよメインのグリーン・ゲイブルス。何とテーマパーク。
モデルになった家、とかが保存されているのかなぁと思っていたのにイメージ違うなぁ・・・。

インストラクションとしてお決まりのモンゴメリの一生の映画を見た後、園内へ。
最初の建物では当時の農法なんかを解説してくれていたり、体験できたりする。
・・・が、時間がない!!予定じゃ余裕のはずだったのに。

  経験則6.お楽しみは最後に残さず、興味のあるものから回ろう!!

実演仕方なくここは駆け抜けようとする。・・・と、キルトと刺繍の実演が!!
左側のお姉さんが小さな刺繍枠を持って刺繍しています。
クロスステッチではなかったけど・・・。
キルトも刺繍もPEIでは本当に生活の一部なんだなぁと感じる一コマでした。

さて、グリーン・ゲイブルス。「赤毛のアン」を元に作られた建物。
割れた黒板があったり、ふくらんだ袖のドレスがかけてあったり、アンがダイアナと連絡を取り合う為に使った窓際のランプが置いてあったりと細かい所に拘りが伺える。
調度品も忠実に当時のものが再現されているみたい。さすが島をあげての一大観光事業?
グリーン・ゲイブルス 外観 客間 キルトがかかっています アンティークなオーブン

マリラの部屋 アンの部屋 アンの憧れのバルーンスリープのドレスもあり ギルバートの頭を叩いて割れた黒板

マリラの部屋の左側って「切妻屋根」の内側の感じが出ているのですが、分かります?
このオーブンはレプリカ。どこかで本物を見ました。当時はこの形のものだったみたい。

恋人たちの小径園内には「恋人たちの小径」と「お化けの森」もあります。
お化けの森は一周40分の散歩道。
時間がないので、じぇるはショップを見に行きましたが、友人は待ち合わせの15分後までに踏破してきたとか。
PEIの動植物について解説してあったとか。(説明もすべて読んできたそうだ)



○ミュージカル観賞(シャーロットタウン)
ここで、前日に迷子になったシャーロットタウンに戻ってミュージカル「赤毛のアン」を見ます。
もう30年も続いているロングランで、PEIでは夏の風物詩になっている様子。劇場も町の良い位置にある。
時間ぎりぎりちょっとあせって劇場についた。
席は予約していったけど、予約が1週間前位だった割には15列目位のど真ん中とベストポジション。(丁度キャンセル券が出たそうだ)それでも3000円程度。
でも、ブロードウェーもその程度らしい。1万円超える事はまずないとか。

  経験則7.日本の舞台興業は高すぎる!!(何にお金がかかるのだろう?)

日本では入口で切符を切ってもらった後すぐ貰えるような、チラシの類と簡単なプログラムが一緒になったような冊子を客席内で座席案内(とは呼べないおばちゃんが主流だった)が配っている。
必ず案内してもらって冊子を貰うシステムになっているようだ。
座席を自分で調べて座る、などと言うことはしないらしい。(そもそも座席表が貼りだしていなかったような・・・。)

更に驚きだったのは、結構大きな劇場だったのに、座席が横一列ずーっと切れ目がない!!
日本だったら15席位で通路が入るのに・・・。
ど真ん中の上に遅めに入った我々は、自分の席にたどり着くまでに「エクスキューズミー」を30回位連呼する羽目に陥ったのであった。
入口も左と右の後ろに一つずつしかない。火事とか起きたらどうするんだろう・・・と一抹の不安を感じたのであった。

やっと開演。ミュージカルお決まりのOVERTUREで幕が開く。
・・・と。何と右隣のおばちゃんが一緒になって歌い出した!!
え?気のせい?幻聴?と思っている内に、左の方からも後ろからも歌声が聞こえてくる。
客席中かなりの人が歌っている。さすが風物詩。
しかし、客席中が歌っていたのはOVERTUREだけだったが、右隣のおばちゃんはずーっと歌い続けていた・・・。
彼女の連れも注意しないし、これがPEIの観劇マナーなのだろうか???

内容はコメディ仕立てになっていた。
・・・というのは、客席が大笑いしているから分かるけどじぇるにはさっぱり???
後で友人に解説してもらったのであった。
・・・が、耳に残りやすい音楽が多く分からないなりに楽しめました。

ここでようやくサントラCDをゲット。BGMのないドライブにも別れを告げる事が出来たのでありました。


さて。
文中に1枚だけ嘘の写真を利用していますが、分かります?
答えは以下反転。

  「グリーン・ゲイブルスの外観」です。こんなに天気良くなかったです。これは絵葉書。

今回で完結する予定だったのに、終わらなかった・・・。
                            〜その3につづく〜
 

2000.08.07 up / 2004.06再録
再録に辺り、フォームの体裁と一部の写真に関する記述のみ整えました。
文中のミュージカルは、その後、日本でも劇団四季が公演しました。
ミュージカルとしての完成度も高いのですが、あのお祭り感覚は地元で見てこそのものだと思うなぁ。
機会があったら是非ご覧になって下さい。




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