ホームズの故郷を訪ねて 4 

※ 日記で連載していたレポの再録です。
 


「タワーブリッジ」 2004.05.22
ロンドン市内を流れるテームズ河にかかっている跳ね橋。ビッグ・ベンと並ぶロンドンの象徴的なスポット。
ゴシック様式の美しい建築も見所だけど、やっぱり跳ね橋なんだもん、跳ね上がるところが見たいよね。
「19世紀末の建築当初は1年に6000回余り開閉したが、今では年に200回位。よほど運が良くないと見られない。」(fromガイドブック)
私はここで諦めたが、友人は諦めなかった。どこからか次の開閉日時を調べてきた。(…凄い…。一体どこから…?)
・・・1ヶ月以上先じゃんよ!

では、何をするのか。綺麗な橋だねーと外から眺めるのか。
否。中に入れます。登れます。何故だか上方に通路もあるので、渡る事も可能です。ここからロンドン市街を一望できます。
ロンドン観光の第一歩として、市街一望。ふさわしいではありませんか。(←煙と何とかは高い所が好き。)

この通路、てっきり観光客集めのアトラクションかと思っていたら違いました。
橋が上がっている間は通行できなくなってしまうので、歩行者を渡す為のものだったとか。
でも、ほとんど利用者はいなかったらしい。急いで渡るよりのんびりと橋が戻るのを待つのがイギリス人気質。
…というのは、帰ってきて知りました。というか、今さっきこの日記を書くために調べていて知った。
塔内には橋の計画段階からの歴史が展示してあったので、どこかで説明されていたのかも。
英語が分からないじぇるさんには、スルーポイントでしたが。


開館時間に合わせて駅に降り立つ。おお、見える見える。
人波に逆らわず、途中のローマの壁(ローマ帝国侵攻時代の要塞の跡)やどう見てもただの銅像の前で写真を撮る謎の人々(それ、別に何の記念でもないと思うよ?)を横目で見つつ、少し歩くと辿りつく。
・・・開いてねぇ・・・。調べてきた情報と違うじゃん。30分待ち。

ここは河の上。冷たい川風。風を遮るものとてない。そのくせ、陽を遮るものはある。これから登る予定の塔だが。
さーむーいー。

開館時間になって列が動く。
入り口にて荷物チェック。棒のような爆発物探知機を差し出したかばんの中に突っ込まれる。
・・・ここ、テロのターゲットになりそうな所かなぁ?平和ボケ日本人。
係員は「ありがとう」と笑顔でかばんを返してくれて、やけに愛想が良かったですが。

エレベーターにて上に登り、上からの眺望を満喫しながら橋を渡り、反対側の塔に到着。
こちらの塔には博物館があるはずなんだけど…。
エレベーターしかないから降りてみる。
そこは、外だった。あれ?

一瞬、動揺するも、足元に「博物館はこちら」と矢印が出ていた。
交差点の「右を見ろ」といい、地面に注意書きを出すのがイギリス式なのか?
分かりにくいってばよ。というか、塔内にあるかのような説明はやめちくり、ガイドブックよ。

この博物館では橋が跳ね上がる仕組みを解説してくれる。
実際に使われていた動力機やら何やら大きな機械が展示されている。
実物大の人形が何やら作業もしている。手が上下に動く程度の事だけど、凝ってるなぁ。
ボタンを押すと説明テープが流れる仕組み。
私も友人もこういうのは隅から隅まで見て回りたいタイプ。
文字があれば全部読み、ボタンがあれば全て押す。
(アルファベットは私にとっては文字ではなく記号なのでスルーですが。外国ってこういう点が辛い…)
ここの解説は各国語対応で日本語も有。ラッキー。
敵(って誰?)もいないので、気兼ねなく日の丸印のボタンを押す。
・・・分からん…。物理用語だか工学用語だか分からないが、話が専門的過ぎて理解不能だ。図解してくれよ。

と、???を抱いたまま見て回り、最後の部屋に入ると。
そここそ模型を使った体験学習型の展示コーナーでありました。
おーい、展示の順番に問題があると思うぞー。。

ここでも隅から隅まで動かせるものはすべて動かし。
ハンドルを回せと書いてあれば回し。レバーを引けと言われれば引き。
やっと仕組みを理解して満足したのである。
・・・もう忘れたけど。(←意味ないじゃん)


タワーブリッジを後にし、徒歩10分位先のロンドン橋に向かう。
そう「ろーんどばしおちたー」の童謡で有名なあの橋。
友人が何やら過剰な期待をしているようだが、ごく普通の橋だよ?
たまたま通り道だから利用するだけで、わざわざ見に行く価値はないよ?
案の定、期待はずれで落胆していたが。だから言ったのに。(私は前に行った際に見ていた)


ところで。
タワーブリッジとロンドン橋は徒歩10分しか離れていません。
ロンドン橋は普通の橋です。
タワーブリッジの跳ね橋を上げないと通れないような大型船が、ロンドン橋は通れるとも思えないんだけど。
というより、通れるのであればタワーブリッジもロンドン橋と同じ高さで作れば良いだけの話で。
何のためにわざわざ大掛かりな跳ね橋なんて作ったんだろう?

今更、疑問が出てきてしまったよ。何か解説を見落としたか?英語の解説はスルーしたからなぁ。

「大英博物館」 2004.05.25
N.Y.のメトロポリタン、パリのルーブルと並ぶ世界三大博物館。
その収蔵量は膨大で、全部見るには何日あっても足りません。
とは言うものの、ここだけにそんなに時間を割く訳にもいかないので、ハイライトだけ半日で見て回ろうという無謀計画。
故に、元気な内に行くことにしましょうか。

因みに。
ここまで大きな museum じゃなくても、美術館・博物館は疲れている時に行ってはいけません
特に立ったまま眠れる特技のある人は…。(私の事です。電車どころか揺れの激しいバスの中でも眠れます。)
博物館見学って意外に体力が必要です。そして、どんなに混雑していようと基本的には静かです。
・・・気付くと立ったまま意識を失っていたりします・・・。

それはともかく。じぇるさん的ハイライトの絞り方。
まずは、そこの売り。大英だったらロゼッタストーンとパルテノン神殿彫刻は押さえておかないと。
次に大物・老朽化しているもの=持ち出すのが難しそうなものを中心に。
運べる物はいつか日本で見られたりするから。(現に今も大英博物館展、来てる…)
例えば絵だったら、日本で人気のルノアール・モネ・ピカソなんかはパス。その内、来るさ。
でも、教会の天井画だったりしたら運べないから、じっくり見学。


ルーブルの第一印象(10年位前)。「このピラミッド、何?」
革命200周年を記念して建築された(確か…)謎のモニュメント。
入り口前に大きいと言えば大きい、小さいと言えば小さい何とも微妙な大きさのガラス張りのピラミッドがある。
バロック調の壮麗な本館と近代的な謎のモニュメントの対比が…
メトロポリタンの第一印象。(3年位前)「入り口で座り込んでる人たち、何してんの?」
入り口前に広い階段があるのだが、そこに大勢の人が座り込んでる。
階段はベンチじゃないよ?( N.Y.でジベタリアンはごく当たり前の風景だとか)

いずれにしても、見るからに威容を誇る建物です。広そー。

一方、大英博物館。
…コレ?本当に正面入り口?ていうか、工事中?本当にやってんの?
しょぼい…。

横に長いルーブル・メトロポリタンとは異なり、奥に長い建物であるのは平面図で知ってたけど…。
あちらこちらに、鉄材とか転がっていて改装中にしても雑然としてるし…。
ま、まあ建物を見に来た訳じゃないしね。
気を取り直して中に進みましょう。

・・・。いきなり中央広場にぶちあたってしまいました。
無料だからチケットブースなんてものもなく、もぎりの係員も当然いない訳ですが。
開放的すぎやしないかい?そういえば荷物チェックはいいのか?タワーブリッジより安全とも思えないんだが。
それより、インフォメーションどこよ?館内案内図欲しいんですけどぉ。(←結局、有料のガイドブックしかなかった)

ひどく混雑していてざわざわとうるさいなーと思っていたら、丁度イベントの始まる時間だったらしい。
突然鳴り響く笛・太鼓。(←違います。でも楽器の名前が分からない)
「アイルランド展」みたいなイベントで、どうやらアイルランドの民族音楽らしかったですが。
反響するドーム内で、お祭り騒ぎされてもうるさいっちゅうの。

何というか…。一般的な博物館のイメージからひどく逸脱しておりました。
博物館ってどちらかと言えば高尚な場所というイメージだったのですが。
図書館と同じく、騒いだりしたら怒られる場所という認識だったのですが。
良くも悪くも開かれた場所になっていました。
いや、きっと良いのだろう。芸術や学問に対して身構える方がおかしい。
小さな時から遊びの延長で触れ合えるっていうのは素晴らしい事だ。

「大英博物館2」 2004.05.26
大騒ぎの中央広場の中で何とかインフォメーションを見つけ、オーディオガイド(ハイライト版。有料)を借りる。
ここは日本語はなかったので英語版を1つ借りて、友人が通訳してくれる事に。ありがとう、友よ。
ガイドに収録されている展示品がどの部屋にあるのかを示す館内案内図をゲット。
孫コピーの孫コピーか?所々かすれて読めないぞ…。

まずはロゼッタ・ストーン。オーディオガイドでも1番に収録されている。心得たものだ。
さすがに人がたかっている。
むき出しで無造作に置かれている(ように見える)他の展示品に対し、こちらはガラスケースの中で厳重管理。
だが…。微妙…。
この期待外れ感は何だろう。そもそも私は何を期待していたんだ?
自己分析してみるに、まず大きさが微妙。大きくもなく小さくもなく。
文字はくっきりはっきり読める。というより、表面はつるつるぴかぴか。
・・・。パチもんくせー
…と見た瞬間に思った程に嘘臭かった訳ではないのですが。
何だかもやもやした気分になって、その原因を追究したらそういう結論になった。
何だろう?お手入れしすぎだったのか?何千年という歴史を感じられなかった。気がする。

他にもオーディオガイドでピックアップされている所を中心に見ていくと。
目玉の1つ、エジプトのミイラコーナーに辿り着く。
ここは凄かった。もう色んな意味で。

人もいっぱいいたので、最前列に出るのにも苦労する程だ。(そこまでの混雑はロゼッタ・ストーンとここだけだった。)
ミイラの製法だとか歴史的背景だとか、他の展示にはない詳しい解説も施されている。(…のは分かるが、内容は分からん。英語だし。その昔、こちらのエジプト展で見たのと似たような話っぽいので、まあいいや)
大半は外側の人型棺桶(?)が展示されているんだけど、中には蓋を開いて中身の遺体を見せていたり。
棺桶に入れられない庶民のミイラ化(干物化)した遺体が発掘現場ごと展示されていたり。
グロい…。倫理的に大丈夫なのかと思うようなものもあったりなかったり。
いやはや、中々にショッキングで面白かった。

この辺りで閉館30分前。まだアジアコーナーを見ていない。
…が、疲れ果ててベンチに座ってしまいました。立てなくなりました。でも、時間がないので気力をふり絞って立ち上がりました。
すると、何やら館内放送。恐らく「もうすぐ閉館時間ですよ」という呼びかけでしょう。
奥の方にあるアジアコーナー到着すると。
・・・係員に追い出された…。
おい。まだ閉館時間まで20分あるぞ。いくらこの博物館が広いとは言っても、出口まで20分はかからないぞ。
自分で時間を見ながら調整するから、ギリギリまで見せてくれよー。

閉館時間=終業時間…なのか?どうやら、それっぽいな。残業したくないから、とっとと帰れって扱い。
閉館処理の時間は営業時間に含めないで下さい…。

「大英博物館3」 2004.05.28
タイムアップで中央広場に戻ってくると、ここにはミュージアムショップがあって営業時間も30分長い。
まだ開いていたので覗いてみると、面白いもの発見。
その名も「Shokugan
・・・。もしかして「食玩」の事か?

解説を読んでみたが、日本製とは書いてあるが食玩の説明ではない。
既に英語として定着しているのか、陳列した人が良く分かっていないのかどっちだ?

それにしても。
こんな物に受けて写真まで撮っている私は、周りの人から思い切り不審な目で見られておりました。





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