![]() ![]() ◆2003.08.04 刺し掛けを引き取って ◆2003.08.07 文化刺繍とは ◆2003.08.08 購入先検討 ◆2003.08.11 到着 ◆2003.08.13 ゴミ ◆2003.08.22 糸の分解 ◆2003.08.25 糸の仕分け ◆2003.08.27 手 ◆2003.08.30 同時使用の針の本数 |
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祖母の遺品を整理していたらば。 刺しかけの刺繍が出てきた。枠にかかったままの状態で。 祖母の家の裏に住んでいる叔母の証言によると、20年程前、祖母が60前の頃に手がけていたものと思われるとの事。 幼い頃の記憶にある祖母は足踏みミシンに向かっている。 ピアノの発表会のドレスや浴衣を縫ってもらったりしたのも覚えている。 いろいろな事に興味を持ちいつも忙しくしていないと気がすまない人だったが、いつの頃からか針を持つ姿を見なくなった。 (洋服を整理したら今の服も自分ですそ上げした跡があったので全く持っていない訳ではないみたいだが) 私が大人になってから=祖母が年をとってからクロスステッチを始めた事を知っても、私が刺した作品自体には関心を持つが、技法には興味を示さなかった。 「今だから出来る事だからね。今の内にやっておくと良いよ」 その時はその言葉の意味をあまり深く考えなかった。 祖母の刺し掛けの刺繍を見つけて、今は何故かその言葉が気になっている。 祖母が何故途中で刺すのをやめてしまったのかは分からない。 単に他の事が忙しくなって、時間が取れなくなっただけかもしれないけど…。 針仕事が好きで、その好きな事を出来るっていうのは実はすごく幸せな事なのかも、ね。 - △ - |
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「これ、完成させてあげられるといいねぇ。喜ぶだろうねぇ」 ・・・。それ、私に続きを刺せって・・・ 言ってるみたいね、皆さん。 やってあげたいけどさ。「刺繍」と一くくりにしないでくれ。 こんなの見た事ないよ。さっぱりやり方わからないよ。 叔母の証言。「ほら、表からだけぶすぶす刺していくヤツだよ」 ・・・何、それ?ニードルパンチ?「は?ニードル・・・、何?」 ・・・いえ、失礼いたしました。そんなはずないよね。 しかも刺しかけの作品だけしか出てこない。残りの糸(と道具)はどこじゃー? キット臭がプンプンするのに説明書も出てこない。 どうすべーと思いながら、取り敢えず引き取ってきた。 友達に聞いてみるか、手芸店ででも見てもらうか…。 布の端にメーカー名らしきロゴが入っていたので、ネットで検索。 ・・・ ・・・ あっさり見つかりました。(インターネットってば凄いわ!) どうやら文化刺繍というものらしい。 名前だけは聞いたことがあったけど、実物は見たことがなかったさ。 (つづく) - △ - |
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結構、反響があってビックリしました。 まるっきり初耳だったのは私だけ? ・・・と言いつつ、今回調べたので説明してみたり。 ------文化刺繍とは------ クロスステッチが糸で描くドット絵とすれば、文化刺繍は「塗り絵」。 輪郭線が印刷された布に糸で色を乗せていきます。 専用のシャープペンシルのような針を用い、糸はリリアンを解いて使用します。 大正年間に考案された中国刺繍の流れを汲む技法で、大きく2つのメーカーがある。(・・・ようだがどう違うのかは良く分からなかった。) 一時期、流行った時代もあるの? ネットで検索すると文化センターの講座案内や、何より老人ホーム等の高齢者向けサークル活動がたくさんひっかかります。 高齢者の間で今もひっそり人気がある様子。 そのせいか個人サイトはほとんどなくて、あまり情報が拾えませんでした。 クロスステッチとは色々な意味で文化というか背景が違う様子。 でも毎月・毎年多くのデザイン(特にキット)が生まれては消えていくクロスステッチの世界とは違って、20年前のキットが現役!! メーカーさんに足りない分の糸と説明書だけ譲ってもらえないか問い合わせてみようかなーとも思ったけど、どうやら糸はメーカーさんのオリジナルではない様子。 糸を売ってもメーカーさんの儲けは少なさそうなので、ゼロから買いなおしました。(どうすんの?これ?) - △ - |
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祖母の刺しかけと同じキットを買いなおす事は決めたけど、どこで? ネットショップも1つ2つあるけど、定価っぽい。 ・・・定価かぁ。 手芸問屋さんのHPはたくさん引っかかる。 問屋さんだけあって継続的なお取引を前提にしているのか、所謂ネットショップとは違う。 取り扱いメーカーは記載されているが、取り扱い商品は不明。金額も不明。 一般論として。問屋さんってさ、客を客と思っていない節があるよね。 実際に彼らにとっての客は小売店であって、個人なんて相手にしたくないのかもしれないけど。 「安く売ってやる。その代わりサービスなんてしないからな。文句があるなら他所に行け」というオーラを発している所が多い。 気持ちの良い買い物とお金を天秤にかけた結果、取り敢えず問い合わせてみるだけ問い合わせてみる事に。 嫌な気分になる事は覚悟の上で。 「○○を探しているが、扱っているか」同じ文面で数社にメール。 折りしも金曜日の夜中。これは返事は週明けだろうな。 A社。土曜日昼前には返事有り。おお、早い!! 送料も含め細かく見積もりまで出してくれた上に、「こちらのキットでは別途××も必要になりますが」とアドバイスまで。凄い丁寧。 …でも3割引。問屋にしては高いな…。 B社。月曜日昼前に返事。 「扱っています。定価の4割引になります」 以上。ざっつおおる。 …もうちょっとさ、嘘でも問い合わせ有難うとかさ。担当者名とかさ。 いや、もうやめておこう。 C社。月曜日午後に返事。 対応はそっけないけど、取り敢えずビジネスとして出すべき情報は出してくれた。 4割引きだけど、とにかくまずはカタログを買って欲しいらしい。 問屋さんってそういうものなのかな。 以下、C社と同様だった。 B社は問題外として、高くても親切で迅速なA社にお願いする事に決定。 何しろ初心者。困った時に頼れそうな所が良いよね。 - △ - |
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いきなり祖母の遺品に手をつけるにはチキンな私。 取り敢えず練習用の小さ目のキットを一緒に頼む。 待っている間にネット巡りをして、やり方を学習しておこうと目論む。 ・・・さっぱり分からん。何でこれで刺せるんだ? こういうのは習うより慣れろだな。断念。 届いた。 「小さい」だけを基準にデザインは好みで選んだお花のキット。 ・・・ ・・・ 失敗した・・・。自然の物は色が込み入っていて難しい。それも小さければ小さくなるだけ余計に。 それはクロスステッチと変わらないというのに。 何?この色数は!!!初心者には無理です。。。 選び直し。今度は小さくて「べた刺しっぽい」を基準に。 前途多難である。 - △ - |
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戦時を生き抜いた人には多いのでしょうが、うちの祖母は物が捨てられない人でした。 「物」ならまだ良いです。「ゴミ」も捨てられない人でした。 お寿司についてくる醤油の空きケースとか。------後で何かに使えるかもと取っておいても99%出番はない類。 壊れた時計とか。-----修理すれば使えそうなので捨てるには勿体ないんだけど、現代社会では新品を買った方が安上がりだったりする類。 しかもお世辞にも整理整頓が得意だったとは言えないので、遺品の整理はもの凄い重労働。 情を出している余裕なんてありはしません。 機械的に要る・要らない・ゴミと分別していかないと、一生かかっても片付かなさそうな量。 だから責めるつもりはありませんが…。 残り糸・説明書・道具が出てこないので仕方なく新品を購入。 届いたキットを見て母の放った一言。 「あ、これ、捨てた気がするわ」 ・・・。 ・・・。 ・・・は・ん・に・ん・は・オ・マ・エ・か・・・ ああ、思い出したよ。そう言えば私も聞かれたよ。「リリアン要る?」って。 リリアンは要らないよ。でも残り糸は要るよ。 母曰く、刺しかけの刺繍地とは別々の所にあった(らしい。うろ覚え)から、気付かなかったそう。 教訓。 興味のない人にも分かるように、キットは1つにまとめて保管しておきましょう。 - △ - |
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25番刺繍糸は6本を縒って1本にしてあります。 この6本ってどこから来ているんだろう? 2本取りにしても3本取りにしても丁度良いようにかなと勝手に思っていますが。 何か謂れがありそうですね。 ・・・本題はそういう話じゃなくて。 この6本で縒ってある刺繍糸を使用時には1本1本ほぐさなければなりません。 この作業って、話を聞いて想像するよりはずっと簡単な作業だったりします。 初心者の頃に説明書を読んで「げっ。途中で絡まったりして難しそうだなぁ」と思ったりもしましたが、実際にやってみれば案外スーっと抜けるものだというのはここをお読みの皆さんでしたら体験されている事かと思います。 ところが…。 何故か最近、絡まりまくり! 酷い時には修復不可能な程に結ばれちゃって、切る羽目に陥ったり。 なじぇ??? 糸もいつものDMCだし。長さもいつもの1mだし。やり方を変えた訳でもないし。 いつもと違う条件と言えば、暑い事ぐらいだが・・・。 暑いと絡まりやすくなるのか? (素人考えでは寒い方が静電気が起き易いとかの方が納得できるんだけど) いきなりやる気を殺がれて撃沈する日々が続いていたりします。 - △ - |
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文化刺繍。 練習用に刺した小さいのが完成したので、いよいよ本番。 因みにこんなの(画像参照)。下の丸いのは大きさ比較用の10円玉です。 はい、大きいです。クロスステッチだったらありえない大きさです。 初めて見た時は引きました。(いざ刺してみればクロスステッチとは全く感覚が違いました。広い面積を刺し埋めるのは割とさくさく進む) このデザイン、明るいオレンジからエンジまで赤系ばかり9色使ってあります。 1色が16本、17本という世界です。 それが2つに分かれている訳でもなく、どばっと一固まりで入っていました。 まずは仕分けしないとね。 因みにワタクシ、概して下準備なるものは嫌いです。急がば回れが出来ない人です。 (この作品の枠張りも祖母がやったもの。私だったら3つに1つずつ位しか画鋲は打たないだろう。途中で飽きる自信がある) ・・・が、糸の仕分けは好きです。 グラデーション順に並べながら、色分けしていきます。 刺繍糸と違ってリリアンは絡まりやすくて(絡んでも簡単にほどけるが)、なかなか大変な作業であった。 悪戦苦闘しながら作業を終えて、ふと気付く。ある1つの山だけが大きい…。 山の数を数えたら9つあるはずが8つしかないし。 私の目には同じ色に見えるが、実は2色って事か…。 夜だったので諦めて寝る。 次の日、太陽光(曇っていたけど)で何とか判別できたが。 いっそ同じ色にしておいてくれ・・・。 ![]() - △ - |
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祖母の続きを刺していますが・・・。 どうしても見た目が違う。 腕(熟練度)の差によるもので、私が修行すれば同じように刺せるかと思っていたんだけど、どうも手(手加減)の差のような気がしてきた。 群ようこさんの編み物のエッセイで読んだと思うのですが、「ゲージを取るのが面倒だから知り合いにやってもらう」という人がいました。 ゲージ。10cm四方に何目何段入るかを示したもの。表示通りの目数・段数で編めば表示通りのサイズに仕上がるか自分の手加減を確認する為の試し編み。 当然、他人にやってもらっても意味がない。 「あら、私の手加減で編んでもらうのよ」と言っていましたが。 他人の手加減で編めるその「知り合い」って凄いなぁと思って読んでいました。 ・・・私には出来ません・・・。 祖母が刺した竹の部分はほとんど完成していて、私が刺す竹の子はそれだけで独立していると言えなくもない。 そこだけ手加減が違っていても、それはそれで合作の味ってものだろう。 遠目だったら分からないしな。 ・・・という事にしておこう。(←自分に甘い) それにしても。 ネットでは「母が途中で投げ出したので、私が完成しました」っていうの、良く見かける気がするんだけど。 クロスステッチだと、それ程手加減の差って顕れないのかな? それとも普通の人は他人の手加減に合わせるのって朝飯前なのかしらん? 皆さん、実は凄い事をやってのけていたのね。 - △ - |
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1度に針を何本使いますか? 大半の人の初体験はキットだと思います。 キットには当然ながら針は1本しか付いていません。 よって「針は1本」が刷り込まれます。こうして、その人の「常識」が形成されます。 その常識を覆されたのは、ニードルオーガナイザーなる物の存在を知った時。 針を20本位刺す場所があって、それぞれに色番号を書くスペースがあるアレです。 一度にこんなにたくさんの針を使って何するの? あれって要するに、いちいち糸を針に通すのが面倒だから、色毎に針を変えて糸は通しっぱなしにするってヤツよね?(間違ってる?) わざわざ道具を買う事まではしませんが、その発想自体は試してみようと普通のピンクッションで場所を決めて4,5本(取り敢えず)の針が刺さっている状態にしてみました。 ・・・。 私には使いこなせませんでした。 そもそも糸を針に通しっぱなしにする意味がなかった。 大きな作品の場合は、糸は1回ごとに使い切るし。 小さな作品の場合は、色毎にまとめて刺すから残り糸を針にかけたまま残しておいても、次の出番はないし。 ピンクッションに刺して出番待ちしている内に、糸がボロくなるし。酷いときは抜けちゃうし。 何かが間違っているのか? じぇるさん的結論。針は1本で充分です。 - △ - |