ホームズの故郷を訪ねて 

こんなタイトルをつけているが、別にシャーロキアンな訳ではない。
(しかも、特にホームズの足跡を辿った旅だった訳でもない。まぁ、気分で。)
小学生の頃に図書館にある子供向けの全集を読んだような記憶はあるものの、内容についてはさっぱりである。
行く事が決まって慌てて読み始めたものの、半分位で機上の人になったのである…。
後に後悔したであろうことは想像に難くない。(←お約束)

※ 日記で連載していたレポの再録です。
 


「いざ出発」 2004.04.22
なしてイギリス?
それは数年前の事。友人と一緒に100年前のロンドンが舞台になっている映画をビデオで見ていた。
そして、国際嗜好で世界制覇を目論見つつも英国は未体験の友人と元々ヴィクトリアン好みのじぇるさんの思惑が一致し、あっさりとイギリス…は広すぎるからロンドン行こうかという話がまとまったのであった。(←安直)
しかし、そこから実現するまでは色々と大変であった。…が、ここでそれを語るには相応しくなかろう。とにかく、やっと行ける事になって喜びもひとしおだったとだけ記しておこう。


イギリスに関する事前知識
紳士の国。霧の都ロンドン。シェイクスピア、シャーロック・ホームズ、切り裂きジャック、ビートルズの国。
そして、ピーター・ラビット、クラッシック・プー、フラワー・フェアリーの生まれた国。
じぇるさんのイメージとしてはこんなもん。(イギリスというよりイングランドか?)歴史としては義務教育で習う程度の知識…があった時もあった。(←おい。だって、大昔の事すぎて…)
話は逸れるが。
今回、この旅行記を書くにあたってPEI旅行記を読み返していたら、「歴史は勉強してから行け」と書いてあったよ…。しかも太字+赤字で。学習能力ないのか?(←はい。)

実はじぇるさんは何年も前にロンドンは1度行った事があったりする。
その時は初めての海外だった事もあって、安心の添乗員同行ツアーを利用。
10日間でロンドン・ローマ・パリを回るような強行スケジュールだったし、初海外で緊張してたし、パックツアーお約束のお土産物屋に強制連行されたり(=観光の時間が削られる)で、ほとんど見られなかった。
その時の印象では、3国の中でロンドンはいちばん安心感のある街だった。何となく国民性が似ている気がする。ほら、どちらも島国だしさ。

そんなイメージを持ちながら、いざ出発〜。


「ロンドン(英国)の気候 2004.04.23
ロンドンは日本…少なくとも名古屋より寒いと聞く。
そりゃそうだ。何しろ北海道より緯度が高い。
今回の旅程ではロンドンより更に北のスコットランドにも行く予定だ。
時は4月に入ったばかり。ばっちり冬支度で臨む…つもりだったが、出発直前の天気予報では14〜16℃予想。・・・あれ?ちょっと防寒具減らすか。

行きの飛行機の中で隣になった地元民と思われるお姉さん(お嬢さん?外人さんは大人っぽいから良く分かんないよ)、タンクトップだよ…。ヘソ出てるよ…。あれ?
(聞いてみた所、オーストラリアからアイルランドへ帰国する所だとか。飛行機の中は暑いから夏服だけど、外は寒いからコート着るんだってさ。)(←英語ペラペラの友人談。ワタクシ、英語分かりません。友人はこれで納得していたようだが、私は「タンクトップ1枚にコートだけでしのげる程度の寒さなのぉ?」と不安になっていた。冬服しか持って来てないのに)

いざイギリスに降り立ってみると。暑い・・・
辺りを見渡すと、ジモティと思しき人々は皆、半そでTシャツだったり、タンクトップだったりやけに軽装だ。
・・・ダウンジャケットに厚手タイツと重装備の私、浮いてる?

まだ夕方だが、取りあえずホテルにチェックイン。とにかく動きを制限されるスーツケースを置いてこよう。
ついでに手に持ってるだけの邪魔くさいコートも置いてこよう。
身軽になって、さあ、街に夕食に出よう!!

ロンドンは緯度が高いので、7時半頃になってもまだまだ明るい。(←夏の間は。)
ふと辺りを見渡すと。先ほどまでは全くいなかったロングコートの人々がたくさん。
・・・あれ?どこから出てきたの、そのコート?あなたたち、ついさっきまで半そでTシャツ1枚だったじゃん?
地下鉄に乗った為、地下から出た頃には日もとっぷりと暮れ。・・・さぶっ!!
・・・何なんだ?コート、置いてきちゃったってば。
どうやら、ロンドンは寒暖の差が大きいらしい。

・・・と思っていたが、どうやら到着した日が変則的に暖かかっただけで、残りの日程は10度前後と寒かった。
日本で見た週間予報はなんだったんだ?雹も降ったさ。
そして。ロンドンの天気は変わりやすいという事前情報も真実であった。

滞在中ずっと、レインコートのお世話になりました。
たまたま100円ショップで見かけたから持って行ったってだけのレインコート。こんなに大活躍するとは思わなかったよ…。
朝は漏れなく快晴なのに、突然曇ってきては降り出す。
ロンドンから離れると晴れている事が多かったけど、ロンドンは本当に1日に快晴から暴風雨(←言いすぎ)までコロコロと天気が変わる。
だが、ジモティは冷静だ。雨が降ってきても気に止める素振りはない。軒で雨宿りするとか、走るとか、雨ごときに何らかの反応を示したりはしない。傘さえささないのが大半だ。
・・・濡れるよ?風邪引くよ?

天気ごときに振り回されていては、ロンドンでは生活できない・・・のか?(実際にジモティと話してないから分からないが)

「ロンドン第一印象」 2004.04.25
一言。「・・・汚ねぇ・・・

イギリスは。
使い捨て文化の日本とは異なり、古いものを修理しながら大事に使っていくお国柄です。(本当の所は知らないけど。今回の短期滞在でそういう印象を受けた)
日本の木・紙の建築とは異なり、後世に残りやすい石の建造物であるせいもあるでしょう。
民家も数百年前の建物を使っています。
だから、水が出ないとか、逆にシャワーから水しか出ないとか、色々不都合な点も出てきてしまうけど、それでも勝手に新築・改築したりしてはいけないと何かで読んだ。
ぱっと見、とても風情があります。でも…。そういう古さではなくて…。

特に汚いのが電車内。窓は釘でひっかいた落書きだらけ車内はゴミだらけ
読み終わった新聞は当然のように座席に放置。そして、それを当然のように拾い上げて読む人もいる。(まあ、これに関しては網棚がないせいであって、日本も似たような文化と言えるかもしれないけど。)
紙屑ならまだしも、食べ残したファストフード等の生ゴミもいっぱい落ちてます。
そもそも駅にゴミ箱がない!!(…と怒っていたら、東京人の友人には「当たり前じゃん」と一蹴されたが。そうか…。世の中、物騒になってしまったのね)
だから、散らかるんだよ。

喫煙マナーもよろしくない。旅行者も多いので、ロンドンっ子のマナーなのかどうかは判別しかねるが、あちこちに吸殻は落ちてるし、人ごみだろうと子供が近くにいようとお構いなしだし。
紳士の国じゃなかったのか?

ちょっと恐ろしいのは、どうも名古屋人の私より東京人の友人の方が衝撃の度合いが小さかった事。
東京のマナーは名古屋より低下してしまっているのか?良いことも悪いことも東京から伝播していく事が多いけど、日本の良識はどうなる?

「ロンドン第二印象」 2004.04.28
景気いいのね…。

現在進行形でポンドが強いのは知っていました。
というか、出発前から切実な問題でした。
あまりのポンド高に、行く前からすっかり買物熱は無くなっていました。
消費税(?)も高いし。17.5%もするんだもん。

全体的に円換算するとあり得ない金額になります。
初日はUSドルの間違い(=じぇるさん的相場の倍)じゃないの?と呆然としたもんだ。
日本のコンビニで230円位のサンドイッチが3ポンド(600円)近くするし。
マックのチーズバーガーセットは3.5ポンド(700円)もするし。
500mlのペットボトルのドリンクも1.2ポンド(240円)位。
更に、量は普通だ。日本と変わりません。
本当に単純に物価が倍なんだよね。

高くて買えないってばよ!!

米加ではカロリー高そうな油ギトギト or ゲロ甘料理がお皿に山盛り出てきたものでしたが。しかも、お皿自体も2回り位大きかったし。
マックのドリンクは日本のLサイズが向こうのMサイズでした。(Sは最初から存在しない。)
(何故マックの話ばかりなのか?多国に進出しているが故に、その国の特色が出やすく文化が比較しやすいので、敢えて覗いてみるからだ)
そんな食生活していてダイエット産業が花盛りなんだから…。当たり前だろ、まず食うのをやめろよと思ったものでした。
そう言えば、イギリス人は背は高かったけど太った人はそれ程見なかったような?

閑話休題。
街には求人広告が溢れています。しかも、ポンドが強いせいもあって、円換算だと結構良い賃金がもらえる。
景気と関係があるのかどうかは分かりませんが、観光スポットはどこに行っても人で溢れかえっています。
観光名所も一般オフィスも民家も改装中ばかりです。

・・・バブリーだなぁ・・・

「計算力」 2004.05.06
780円の買物をしましたが、きっちり払うだけの小銭の持ち合わせはありません。
貴方ならどうしますか?1000円払っちゃう?
私はできる限り小銭は少なくしたいので(重いし)、なるべくまとめるように払います。

A.1080-780= 300円(これは実行している人も多いのでは?)
B.1280-780= 500円(100円玉5枚より500円玉1枚の方がすっきりするし)
C.1030-780= 250円(この引き算はいやん?)
D.1330-780= 550円(もっといやん?)

日本では。
D.になるとさすがに怪訝な顔をされる事もありますが。
レジ打ちして釣銭金額を見て納得している風の店員さんもちょくちょく見かけはしますが。
疑問に思っても客の支払い方法に口を出す事などありません。
例え、客の方が計算が弱くて出された100円玉をそのまま返すような場合でも。(←私の事だ。550円のお釣りのつもりで650円になる事がある)

これが米国だと。
A.の時点で既に不審げです。
B.C.になると、90%の確率で(←どっから弾いた数値だ?体験値っす。)1000円札しか受け取ってくれません。
「1000円で足りてるんだよ、バー○」とでも言いたげです。(←被害妄想入ってます)
こっちも「君の足りない頭で暗算しなくていいから素直にレジ打てや。こっちは50円玉が欲しいんだよ。」(←まあ、お下品)と言ってやりたいものの、そんな英語力はないので、ジャラジャラと小銭を抱える羽目になります。
え?D.?問題外です。

移民の国アメリカでは、教育レベルに格差があります。
また、サービスが文字通りサービス(無料)の日本とは違って、基本的にサービスはお金で買う物です。
高級ショップだったら教育レベルの高い店員さんがいる「らしい」のですが、そこはじぇるさんの行動範囲ではない。
じぇるさんが行くような店は計算が得意ではない人ばかりでした。。。

一方、イギリスでは。
向こうから「あと30円持ってない?」と聞いてくれます。
D.のような場合でさえ、さらっと暗算でお釣りをくれる事も。
すごいぞ、イギリス人。
こちらが現地通貨を良く把握できてないと見ると、「10,20,30と1,2円ね」というように、1枚1枚確認するように渡してくれたりするし。
全体的に接客レベルは高かった
景気が良い中でこれってかなり凄い事だよね。
※注(景気が良い=人手不足=レベルの低い店員でも雇わなくてはいけない)

一応、齟齬のないように補足しておきますと。
米国では現地在住の友人の元に寄宿していた為、観光客相手ではない場所にも出入りしていたという事実だけは明記しておきますね。


※文中、分かりやすいように通貨単位は円で統一していますが、実際は違うよん。

「英国携帯電話事情」 2004.05.12
携帯電話先進国、ニッポン。

・・・と思っていましたが。イギリス(っていうかロンドン?)もなかなかでした。

老いも若きも男も女も、普及率はかなりのものに見えました。
色々な施設で「携帯使用禁止マーク」が貼ってあっし。(裏を返せば、それだけ携帯電話を持っている人が多いという事)
しかも、本体が小さい!!耳にあてると口まで届いていません。手のひらサイズです。
使用している姿を外から眺めていただけで実物には触っていないので確実ではありませんが、松ちゃん言うところの「話さえできればええやん」をポイントに進化している印象を受けました。
電車内等でメールをしている人はあまり見なかったし。
カメラがついているようには見えなかったし。
着メロにはなっていたけど、単音だったし…。

日本と比べてどちらが進んでいるとかじゃなくて、根本的に携帯電話の位置づけが違うのかな?
しんぷる いず べすと
何でもかんでも多様な機能をくっつけたがる日本とは違うのかな?
(あ、でもホテルのテレビにはラジオもついていた。)
国民性の違いが表われているようで、興味深かったのであった。


余談。
数年前に米国に行った時は、はっきり日本の方が進んでいると思ったけど。
米国の携帯電話はゴツかった。重かった。(こっちは実物を触らせてもらった)
だが、米国在住の友人は私の携帯を見て「こんな小さなボタン、米国人には扱えない」と一蹴していたし、ウォークマン代わりに普通のカセットデッキをかついで歩いているようなお国柄だ。
実は「小さくて軽い」というのが魅力には繋がらないというのが国民性だったのかもしれない。

※米国人は平均的に不器用だと聞きます。
何せ「イチゴのへたとり器」なるものが存在する(と聞いた)国だ。




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